私の中のどろどろしたものと、この世のどろどろしたもの

嗚呼、この週末は、刺激的で過激的でとんだハプニング満載ウィークエンドであった。
私は世の多くの方々のようなサイクルで生活していないので、
仕事後に休みの友人方と久方ぶりに会う、みたいな事を2回ほどした。


まず一昨日は、大学時代の友人が麻布十番に行こうというので、
仕事終わりにまんまと大江戸線に乗り込んで、麻布十番の地に立った。
なんとも近くも遠くもない視界の中には聳え立つ現代的ビル達が連立しているのに、
麻布十番自体の町並みは古めかしく、なのにオサレぶった日本人とか、
クルックルッのふんわり髪の毛外人チビッ子とかがいて不思議な空間だった。
友人とその町並みを楽しみ闊歩していたらいつのまにか六本木に来ていた。
六本木あたりで軽くではなくかなりガッツリ腹ごしらえをすると、
友人の恋人様が割と近距離のところにあるバーで働いているというので、
そこへ行こう行こう、みたいな雰囲気になる。


散歩がてら歩いていくとしっぽりした穏やかな場所にそのバーは在った。
・・・嗚呼、やっぱりここには書けない。
とにかく、友人の恋人様に美味いお酒を3杯ほど作っていただき、
それを味わいながらすんごいものを見てしまった。


この世の中は、そんなにも荒んでいて、
この世の中は、こんなにも汚れているのか、と確信した。
完全に人間が壊れていっている。意味がわからない。
私の中のどろどろした汚いものと、この世の汚れた真髄がかっちりと結びついたのを感じて、
具合が悪くなった。今思い出しても吐き気がする。
やりきれなくなったのでテキーラショット飲みしてタクって帰る。




そうして昨日は仕事へ行って、
予ねてから中間試験やらなんやらあったけど無事卒業試験を迎えて、
なんか、たぶん、今までのテンションだったらこの卒業試験も結構大事で、
詳細に書きたいんだけど気分じゃないので割愛する。
でも無事卒業できたことを報告したい。研修生から練習生へと昇格。
結構高得点で試験を終える。あったりまえじゃん。


ああ、それでね、
仕事終わって携帯見たら浪人時代の恋人から着信があって、
ご飯に誘おうと思って連絡したらしいんだけど
すれ違いで彼はご飯食べた後。
でも時間もまだそこまで遅くなかったし、時間あるなら会おっか、
みたいなことになって、彼の住む町へと向かう。
結婚してから唯一誰かの家を知ったのが彼の部屋。
清く正しく私達は不思議な関係を続けている。
今も昔も変わらない距離感。
居心地が良いのか悪いのか分からない。
でも私達は逢瀬を重ねている。


彼の住む町に着いて、駅から待ち合わせの交差点まで歩く。
雨がかなり降っていたが、線路沿いにある小道を町並みを確かめるように歩いていく。
正面から歩きすれ違ってゆく人をここに住む人々を確かめながら歩いていく。


雨が一頻り降る中、正面から傘もささずに歩く人が一人。
その人は私の良く知る、毎日毎日顔を合わせて、
いつもいつの時間も私の頭を支配して焦がれて止まない人:夫だった。


なんで、何故、この街でこの場所でこの時間にこの人がいるのか、
分からなかった。
皮肉なもんだ。夫の事を忘れたくて、自分の中の比重を軽減したくて、
他の人に会いに行ったというのにこうやって偶然にも出会ってしまうのだから。
観念してまだ私に気付いていなかった夫に声をかけて一緒に歩き出す。
もしも浪人の彼が私達を見ていたらそれはいい気はしないだろう。
だから傘で視界を遮った。
私が何も見えないよう、誰も私を見れないよう。
このまま消えてしまいたかった。
少なからず疚しい気持ちで其処に、その町に居た自分が汚かった。


夫はそこから仕事へ向かっていった。
だけれどもその事実を一人で、夫が帰ってくる明朝まで我慢できるのか、
持ちこたえられるのかやはり自信が無くて、
私は浪人の彼の下へ行くのである。
電話して、彼の部屋に行くまでに珈琲牛乳を一本買って行く。


部屋に着くなり彼は心配してくれていた。
先週彼と電話で話していた時も、私の普段とは違う様子に心配して、
律儀にその次の日も電話をして様子を伺ってくれた。
この人、こんなに優しい人だったっけ、とか5年前を回想するがそんな事もない。
当時は、電話してくれと頼んでも電話しないようなマメのマの字もない人間だった。
彼も優しくて大人の男になったんだなぁとか思う。


それから彼はラーメンを作ってくれて、二人で小さいテーブルでラーメン啜る。
お礼に台所を掃除した。
二時間程ああでもないこうでもないクダラナイ世間話をして、
終電で自宅へ帰る。
おかげで幾らか気分が楽になる。


二日くらい寝ていなかったので、
本当だったら酒でも一人で飲んだくれてウダウダっとしたかったが、
疲労と睡魔に襲われ、部屋について10秒後には眠りについていたかと。

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