東京砂漠


ここ数日長々とトルコ語で彼への想いを長々と綴ってきましたが、
そろそろ飽きたので、というか完璧なる自己満足なので、
日本語へと再びシフトします。


今日は彼と一緒に生活し始めてちょうど二ヶ月目にあたる日。
仕事帰りに彼の仕事先へ向かい、
終電一本前で家路へと着きました。
駅に着いて、スーパーで買い物をたっぷりし、
(彼様へ:闇雲にカゴの中に商品を入れていくのは止めてください。
 似た様な商品で、高い物と安い物があったら、高い物を選ぶのは止めてください。
 私達は決して裕福ではないのです。ノープラン、ノーライフなのです。)
スーパーの一番大きなビニール袋3個分にもあたる大量のお友達と共に
スーパーを後にし、自転車の籠にビニール袋ひとつ、
ハンドルの右と左にそれぞれひとつずつ袋をぶら下げて、
夜の街道沿いを歩く深夜。
途中にあるリサイクルショップのネオンに虫のように引き寄せられ、
自転車に一応鍵をかけて、ビニール袋を置き去りにして、
店内を徘徊。所狭しと置いてあるガラクタとも似て非なら無いお友達を
二人でああでもないこうでもないと、物色しながら楽しむ小一時間。
小さな買い物をして三個のお友達のもとへ戻った時はもう時すでに遅し。


「ねぇねぇねぇ、確かに確かに私達のお友達は三人居たよね?」
「居たね、三人。」
「二人じゃなかったよね?」
「確かに三人居たよ。」


きっと、雨の日に入ったコンビニから出るときに、
傘立てに置いてあったビニール傘を失敬するくらいの気持ちなんでしょう。
きっと、昔まだ自動改札システムが甘かったころに、
何十円かのキセルをするくらいの気持ちなんでしょう。


でもやめてください!
それはれっきとした泥棒なんですから。
どんな小さなものであれ人の物を拝借するのは犯罪なんですから。


399円の瓶牛乳ってどんなに美味しいんだろう。
新じゃが、ってほくほくしてて美味しいかな。
風邪気味だからビタミンを取ろう、やっぱりオレンジジュースだよね。
バスクリンの「森の香り」ってどんな香り??
明日はチーズケーキを作りたいからクリームチーズと生クリームも必要だよね。
やっぱりトルコ料理にはヨーグルトが欠かせません。
剛ヒゲを剃るにはやっぱりシェーバーフォームが必要だよね。
冬だしヒリヒリするもんね。


全部持ってかれました。
やられました。
彼がもしも私達のお友達を盗る貴方を見ていたら、
殺されていましたよ。
少なくとも間違いなく半殺しにはされていましたよ。
命拾いですよ、私も怖いんですからそういう
曲がった事に出くわした時の彼は手がつけられませんから。
だからやめてください、ね、泥棒さん。


その後の私達はただただ笑うだけ。
もう盗まれたものは盗まれたんですもの。
ほくほくとじゃがいものように怒る彼をなだめ、
私はもう笑うしかないじゃない、とずっと笑ってました。
いい経験になったわよ。
初めての泥棒体験も貴方と経験できたんだもの。
これもまた一つの思い出。
笑う門には福来る。