不毛な日


早く就寝したのと、環境が変わったせいもあってか、

午前2時、午前5時半と目が覚める。

午前7時半には結局起きるが、睡眠時間の割には目覚めは良い。

お風呂に入ったり、部屋をウロウロしたり、日記をつけたりしてみるが、

相方は目覚めず、ここ数ヶ月と一日も休まずに睡眠時間も一日片手に収まる程しか

眠っていなかった彼を無理に起こすことも出来ないと諦め、

今日はゆっくり休ませてあげることにした。

午後12時頃やっと彼も目覚め、ホテルの隣にあるコンビニに一人出向く。

本当は彼を寝かせておいて、自分ひとりでせっかく韓国までやって来たし、

勿体無いから一人でブラつくことを思っていたのだが、

それを察知したのか、心配性の彼のこと、

コンビニで飲み物と食べ物を買ったらすぐに戻って来い、と。

まぁいいけどさ。

水とオレンジジュースをそれぞれ1.5リットルのペットボトルで買う。

水は1000ウォン(約百円)、オレンジジュースは3000ウォン(約三百円)

であった。そしてその隣にあったサブウェイでサンドイッチを三つ買う。

チキンのサンドイッチと、ビーフのサンドイッチと、ツナのサンドイッチだ。

システムは日本のサブウェイと同じなのでさほど困惑せずに済んだ。

全部で10200ウォン(約1020円)であったかと。

部屋に戻って飲み物と食べ物を彼に捧げる。

チキンのサンドイッチに彼は手をつけるが、その鶏肉が鶏肉らしからぬ様相で、

まるで汚い物を触るかのようにまじまじと見ながら、

疑いの目で鶏肉を一片手に取り、匂いを嗅いでかじってこりゃ豚肉だ!!

と叫び風呂場へ駆け込んでいった。彼は豚肉が食べることができない。

宗教上の問題などではなく、先入観から食べる事が出来ないのだ。

不謹慎ながらも人のカルチャーショックを目の当たりにするのは結構楽しい。

どうやら石鹸で手を洗い、口をゆすいでいるらしい。鶏肉なのに・・・。

それからビーフのサンドイッチを与え、それを小腹に収めた彼は再び眠りに落ちた。

どこかに行こうよーと一時間に一回揺すりながら駄々をこねてみるものの、

5時間後あえなく撃沈。

自分もまどろみから眠りに落ちる。

ふと目覚めると窓から見える景色はすっかり陽が落ち、ネオンが輝き、

同時に隣で眠っていた彼も眠りから目覚めたようであった。

時計を見ると21:30。

普通にひく。まぁひいたところで時間は戻って来ないので気を取り直して、

夕食を調達しに外へ出る。

極寒の中、腕を組んで夜のソウルへ。

向かいの通りの一本裏にある日本でいう歌舞伎町のようなネオン街へ。

ぐるぐると散歩がてら、人間観察がてら歩き周った挙句、

一軒の焼肉屋らしき店へ入る。

看板に豚の絵が描いてあったのが少々気になったものの、

牛肉もあるだろうと安易に店の中へ。

出されたメニューが全てハングルだったので、店の若い男子を呼んで、

英語で私達は豚肉が食べられないので牛肉はありますか?と聞いたところ、

全く英語が通じず苦戦、しているところに、

日本語の話せるお姉さんが通訳しに来てくれた。

話してみるとどうやらこの店は豚肉専門店。なんと不運なことか。

色々出してもらったけれども申し訳ない。店を出た。

大通りを歩きに歩き、屋台を見て周るが結局今日もバーガーキングへ・・・。

またハンバーガー、、と泣き笑いしてみせたら彼がごめんね。。

さっきの店に戻って君だけ食べてもいいんだよ、僕は見ているから、と。

いいんだよそこまでしないで。

でも毎日ハンバーガー食べ過ぎて私達がハンバーガーになっちゃうよ、と

言ってみせたら彼はこの異国の地で爆笑。

あまり笑えないんですけど私・・・。

再び昨日のバーガーキングへ入り、夕食をとる。

ホテルに戻り、さすがに寝すぎて眠れずテレビみたり談笑しながら

午前4時就寝。